海外交通政策資料研究会 第32回 議事録
日時 2013年3月14日 (木)15:00
議題及び資料
1EU Fourth Railway Package
2EU 司法裁判所 上下分離に関する4ケースの裁定
3 Rail欧州 Vision ‘Challenge 2050’
4英 Brown Review of Rail FranchisingProgramme
5 英 当面のフランチャイズ プログラムの変更
6英 鉄道産業のための長期車両戦略
7英 Crossrailの車両調達を公的ファイナンスに切替
8仏 Grand Paris Express計画の具体化
9仏 Ouigo low cost TGV
10 西 新運賃制による高速線旅客増
11中 鉄道機構改革
12米 PTC計画の遅延
13 米NEC計画の環境評価と合意形成
14 米 高速鉄道の計画遅延についてのOIGの監査報告
報告及び議事内容
★EU委員会は1月30日円滑な旅客ネットワーク形成のためのFourth Railway Package提案を承認した。①参入のための車両、安全に関する審査をEU鉄道機関に引き上げ行政手続きを簡略化する②2019年以降旅客の競争及び公共市場を開放する③公平なアクセスを担保するためインフラマネジャーは、投資計画、列車運行、保守、ダイヤの能力を強化しかつ効率的非差別的でなければならない。組織分離ができないときはファイアウォールを設ける④新旧交代と競争市場に対応できる良質の労働力の確保に努める★EU委員会が提訴した指令91/440問題につきEU裁判所は2月28日ハンガリーとスペインは違反、オーストリアとドイツ(holding 方式)は合法と裁定した。★CERとUNIFEで運営されているEuropean Rail Awardsにおいて2月26日、関係者の協力を得てUICの ワーキンググループがまとめた’Challenge 2050’が発表された。2050年の鉄道の姿を描き政策、利害関係者、業界の指針となるものである★英国運輸省は、フランチャイズについてのBrown Reviewを発表した。鉄道改革以降92%の旅客増があり基本的なシステムに問題が無いが、運輸省の対応強化,期間、経済変動や政策などの責任外のリスク対応、サービス評価、身近な機関による監視等の改善点を挙げた★英国運輸省は1月31日ICWCの他の4フランチャイズの暫定期間を含む契約改定のプログラムを発表した★英国鉄道関連機関は2042年までに旅客増と電化により現在の8,500両に対し、4,000両の取り換えを含む13,000~19,000両の電車の新製が必要という’Long term passenger rolling stock strategy for the rail industry’をまとめた★民間資金によるロンドンCrossrailの車両とデポ計画を、市が補助金と直接資金調達に切替2018年開業を目指すことになった★Grand Paris Express 計画は72駅、200キロとして11号、14号線の延伸から計画着工される見通しになった★ローコストTGV OUIGOが改良車両を使いパリ近郊Marne-la-Valleeからマルセイユとモンペリエ間で運行される★市場順応型運賃制度の導入によりスペイン国鉄の輸送需要の急増が見込まれている★中国鉄道部が廃止され、企業分野は鉄路総公司に、安全管理を鉄路局に、総合業務は交通運輸部に帰属される見込み。鉄道部の債務2.66兆元(年利150億元、資産負債比率約62%)の帰属が問題となっている★米国PTCの車上、地上設備の設置が進むが規模、資金面で議会で決められた2015年までの完成は極めて困難★FRAがNEC Futureという組織を作り2015年の工事認可を得るべく環境調査を実施中★米DOT内の監査局が高速鉄道計画の予算執行の遅れについて関係者の合意形成の遅延を指摘した