令和7年3月24日「交通研究委員会」

交通研究委員会が令和7年3月24日(月)に開催されました。

講 師: 相模鉄道㈱ 常務取締役営業部長
     金田 有紀 氏  

演 題:「相模鉄道の都心部直通プロジェクト(相鉄グループの取り組み)」

令和7年2月3日「交通研究委員会」

交通研究委員会が令和7年2月3日(月)に開催されました。

講 師: 日本コンサルタンツ㈱エグゼブティブアドバイザー
     中井 雅彦 氏
演 題:「インド拘束鉄道プロジェクトの現状と課題」

第94回 海外交通政策資料研究会

第94回 海外交通政策資料研究会
2024年12月5日(木)15:00

【議題及び資料】

  1. アジア地区プロジェクト情報
  2. Vietnam approves $67 billion high-speed railway project between Hanoi and Ho Chi Minh city
  3. Transport Secretary fires the starting gun on rail reform as Public Ownership Bill reaches final stages in Commons
  4. Hitachi to develop next generation CBTC in Canada
  5. Integrating FRMCS: Enhancing rail communications with 5G technology
  6. Railcoop
  7. 激動する世界 置き去りのドイツ
  8. RENFE enters Italian passenger market with Arenaways stake
  9. Zehntausende Bahnfahrer betroffen: Zug-Lieferung für den Nordwesten zum vierten Male verschoben
  10. Nicht genug Abstellgleise: Bahn fehlen Parkplätze für ICE-Züge in Berlin
  11. その他 ニューヨーク、Grand Central駅の近況

【議事概要】

  1. インド:西部の高速鉄道(MAHSR)敷設に必要なスラブ軌道の製造工場を西部グジャラート州スーラト近郊に開設。ミャンマー:ヤンゴン環状鉄道向けDEMU車両を導入。タイ:運輸相が来年9月までの交通渋滞税導入実現を明言。ベトナム:670億ドルを投じた高速鉄道プロジェクトを議会が承認。フィリピン:JR 東日本とパリ交通公団の子会社「RATP Dev」が、南北通勤鉄道事業の入札に向けた協力に関する覚書を締結。台湾:新幹線の海外展開を目指す「国際高速鉄道協会(IHRA)」が台湾高速鉄道(台湾高鉄)と共催で台北市内にて全体会議を開催。マカオ:LRT新線「横琴線」開業。三菱のAGTシステム一式を採用。参考:ロンドン交通局がエリザベス線の運営を東京メトロや住友商事などの合弁会社「GTSレール・オペレーションズ」に委託すると発表。
  2. ベトナム政府がハノイ・ホーチミン間1,541kmを最高速350km/hで結ぶ670億USドルの高速鉄道プロジェクトを承認。2027年着工、2035年開業を目指す。
  3. 英国運輸長官が鉄道公有法案を最終段階に移行。鉄道改革の号砲発射。遅延・運休等が続く英国の鉄道サービスを改善したい考え。
  4. 日立がカナダ・トロントのエンジニアセンターで新世代CBTCを開発するため100億カナダドルを投資。オンタリオ州・オンタリオ投資資金ファンドと協力。世界の都市鉄道での活用を見込む。
  5. 鉄道の通信システムをGSM-Rベースから5Gベースの次世代鉄道用移動通信システム(FRMCS)に切り替えることで、鉄道の将来に向けた改善が図られる。
  6. フランスに、2019年から2024年にかけて民間協同組合鉄道輸送会社「Railcoop」が存在。同社は2021年に免許等を取得、同年11月からオクシタニー地方で貨物列車の運行を開始した。2022年にはボルドー~リヨン間の旅客輸送等も計画されたが資金難のため実現せず延期となり、その後、2023年4月に貨物列車の運行を停止。同社は破産・清算された。
  7. ドイツでインフラの劣化が進み、鉄道やアウトバーンのほか、デジタル投資の不足も課題に。経済成長が止まり、国内で政治的な混乱を生じている。旧東独側では右派政党躍進の動きがあり、総選挙を経てドイツがEU離脱に動き、EU崩壊を招く懸念もある。
  8. スペインのRENFEが、アリーナウェイズ社(イタリア)の出資を受けてイタリアの旅客鉄道市場に参入する。RENFEは英国ロンドン~ウェールズ間におけるオープンアクセスの鉄道事業に関わっているほか、フランスのRailcoopを一部買収する交渉も行っていた。
  9. アルストム社は、ドイツ・ニーダーザクセン州の鉄道運営主体(LNVG)向け近郊電車34編成について2024年12月納入が困難であると発表。納入延期は4回目。納入予定は2025年12月以降で、この車両による旅客輸送は2026年3月以降になる見込み。これにより車両が不足し、2025年12月以降ハノーファー周辺で1日1万人以上の旅客に影響が出るとみられる。
  10. ドイツ・ベルリンで、工事のため高速列車ICEの留置線が不足。また、ベルリン中央駅で分岐器が足りず列車の発着に制限があり、その設置工事のため運休を計画。この分岐器は2006年に同駅が建設される際に設置される予定だったが、コスト縮減のために省かれたもの。
  11. ニューヨークで米国最大の通勤鉄道であるロングアイランド鉄道がグランドセントラル駅に乗り入れた。同駅はユネスコが2024年の「最も美しい駅」に選定しており、駅周辺では再開発も進んでいる。

【出席者】
遠藤俊太郎 川﨑孝夫 佐々木拓二 佐藤芳彦 曽我治夫 高津俊司 東充男
前田喜代治

第93回 海外交通政策資料研究会

第93回 海外交通政策資料研究会
2024年9月19日(木) 15:00

【議題及び資料・情報】

  1. アジア地域別鉄道プロジェクト関連情報
  2. Inno Trans 2024:the five big talking points
  3. European Rail Freight Association sets out priorities
  4. Bogie-mounted sensors
  5. China postpones delivery of locos to Belarus
  6. Porsche Holding in group taking stake in Greyhound owner Flix
  7. Verkehrsverbund Ost-Region の Klimatickets
  8. Klimaticketについての論評
  9. インド新幹線
  10. パリ近郊でのSNCFに対する妨害工作

【議事概要】

  1. インド新幹線7km海底トンネル工事開始。JR西日本とタイRTRDA各種支援事業協定。AIIBベトナム南北高速鉄道と地下鉄に50億ドルの公約。ホーチミン市地下鉄2号線韓国輸出入銀行と投資準備支援事業範囲の基本合意。インドネシアKCI中車青島四方から8編成の車両と新都市ヌサンタラ無人運転ATR車両を購入。フィリピン政府ADB をトランスアクションアドバイザーに任命マニラ3プロジェクトを推進、南北通勤鉄道円借款による工事で一部駅の構造物完成。9月中国213kmキルギスタン260kmウズベキスタン50kmの鉄道事業3カ国が投資協議書を締結、建設開始
  2. さまざまな成果が展示されるInno Trans 2024を控えIRJ Kevin Smithの見解。SCIは、2023年の世界鉄道産業はサプライチエーンの乱れとエネルギー高騰を乗り切り€200bnの大台に達し4%の成長を見込むが、エネルギー、コスト、ストック、資金、DAC,ERTMCS,ERTMS、モーダルシフト、世界地政学的状況、保護主義、CRRC,ALSTOM,SIEMENSなどの動向、デジタル化、業界のスキルと多様性などを指摘
  3. 欧州鉄道貨物協会2024~2029年のマニュフェストでインフラ整備、単一欧州鉄道圏、競争力の向上の3政策目標と、①整備と一時的輸送力制限への運行会社補償、②安定的な線路使用料、③ERTMS導入と車載ユニットとの調整、資金提供、④官僚主義の削減、言語・認証用件の簡素化の課題を設定
  4. 欧州貨物オペレータはAI DIGITAL社の車載センサーベースシステムの使用により、リアルタイム計測と偏積の回避、通信機器によるオペレータに情報提供、今後軌道に対する情報提供も可能になる
  5. べラルーシ向け仏・中開発の電気機関車BKG2、EU-US制裁により西欧側の部品調達ができず自国化による大幅納入延期
  6. Porsche Holding欧州でFlix Bus、北米でGreyhound を持つFlix SEの35%の株を所有すると発表。初めて消費者側プラットホームへの投資
  7. オーストリア東部運輸連合(VOR)気候変動対策チケット(Klimaticket)利用が増加、公共交通利用度が高まった
  8. ウィーン経済大学Fürst教授、ドイツ19€/49€チケット、オーストリア全国環境チケットなど年間乗り放題の乗車券の具体例を紹介。人気は高く政治家に受けるが、乗客の純増は比較的少なく運賃の経済的役割が軽視され収入減。補償も不確定。企業の経営問題が残り極めて重要な車両インフラの保守、整備などの問題が未解決だと論評
  9. インド高速鉄道 JICA借款とその負担、工事進捗の一方大幅開業遅延、新幹線車両を見込むが、国有ICF社にアジアで需要が見込める1435mm規格の車両の国内製造も指示
  10. 6月26日、パリ近郊でTGV北、西、東,南西線に対し同時多発的に放火などによる信号妨害があり、大規模な運行障害発生。SMSなどによる乗車予定者に対し周知徹底が行われた

【出席者】
遠藤俊太郎 川﨑孝夫 佐藤芳彦 佐々木拓二 佐々木敏明 菅建彦 高津敏明 西江勇二 東充男 前田喜代治

第92回 海外交通政策資料研究会

第92回 海外交通政策資料研究会
2024年6月20日(木) 15:00

【議題及び資料】

  1. Hitachi completes €1.7bn Thales GTS acquisition
  2. 光ファイバーによる異状音検知と鉄道への応用
  3. アジア鉄道関連プロジェクト情報
  4. SNCF Voyageurs plans to launch open access high speed train service in Italy
  5. Independent high speed rail operator Proxima launched in France
  6. China-Kyrgyzstan-Uzbekistan railway agreement signed
  7. Uzbekistan signs South Krean high speed train order
  8. How to launch a US high speed rail project

【議事概要】

  1. 日立レールはThalesからGTS部門を€1.66bnで買収。digital operationやcybersecurity技術、乗車券システムなどの機能向上により、収益性の高い信号、列車制御、デジタルシステム部門で取引を世界51カ国に拡大。独禁法の関係で英独仏の信号部門の一部を売却するが、伊英米拠点に加え、GTSスタッフ9000人を受け入れ独、仏、スペイン、カナダ拠点が充実し広く交通分野のニーズに対応
  2. 光ファイバーを利用した分散音響センシング(DAS) 技術により80km長までの軌道、車輪、架線、落石、動物などの異状に対応可。インドで既に実用化
  3. アジア鉄道関連 インド新幹線2026年運行開始見込み。タイ国鉄タイ高速鉄道バンコク~ノーンカーイ610km中第二期計画ナコンラーチャシマー~ノーンカーイ間357kmを承認。タイ・中国パートナーシップによる92.4億ドル投資計画。昆明とビエンチャン間は2021年完成。ホーチミン市メトロ1号線諸般のテストを終え12月にベトナム側に引き渡される予定。ジャカルタ都市高速線MRT東西線の建設支援のため1,406億9,900万円限度の借款供与。中国国鉄とロシア(RZD)はザバイカリスク~満州里を通過する第二の標準軌建設。中露間の物資輸送円滑化を協議。中国~ヨーロッパ東部間サービスネットワークに南ルートも加わり活況。欧州25国223都市、アジア11国100都市を結ぶ。
  4. SNCF Voyageurs 2026年からイタリアでopen access high speed サービス開始計画
  5. 仏Antin Infrastructure Partner が支援するProximaパリと西部を結ぶ高速オペレーターとして参入計画
  6. 一帯一路構想の一環として中国、キルギスタン、ウズベキスタン3カ国を結ぶ523km推定80億ドルの鉄道建設協定に調印。資金調達、建設、運営、保守、物流ターミナルの整備等が含まれる
  7. 韓国・ウズベキスタン協力協定の一環としてHyundai Rotemの高速列車車両の輸出
  8. US High Speed Association 時速300+kmの鉄道を立ち上げるため17ページ、5項目に関わる「High Speed Rail Project Initiation -A road Map for Advocate」を6月に発表

【出席者】

岩沙克次、岩橋洋一、遠藤俊太郎、川﨑孝夫、佐藤芳彦、佐々木拓二、佐々木敏明、
菅建彦、曽我治夫、東充男、前田喜代治

令和6年7月10日「交通研究委員会」

交通研究委員会が令和6年7月10日(水)に開催されました。

講 師: (一社)立飛総合研究所 理事(都市交通ジャーナリスト)
      市川 嘉一 氏

演 題:「これからの交通政策~「交通崩壊」を避けるために」

第91回 海外交通政策資料研究会

第91回 海外交通政策資料研究会
2024年4月18日(木) 15:00

【議題及び資料】

  1. London and New York outside top 10 longest metros as Chinese cites dominate
  2. 世界のメトロ データ
  3. UK government publishes Draft Rail Reform Bill
  4. A new leasing model for Europe?
  5. Request to Stop button ready for trial at Welsh stations
  6. About Coventry Very Light Rail
  7. Kevin Speed
  8. Metronom kündigt Streckenvertrag zwischen Hamburg, Bremen und Göttingen – so geht es jetzt weiter
  9. RhB streit wegen Personalmangel Züge
  10. Van Hool’s trustee have accepted the takeover bid by VDL-Schmitz
  11. DECARBONISATION Traction Technology
  12. その他
    ユーロトンネル列車容量
    ALSTOM イギリスのオペレーテング市場参加
    RATP Dev Keolisに代わりリヨンのメトロの運行(2025 1/1~)
    Messe “Mobilität erleben ” (DBME 2024) : DB zeigt innovationen für besseres Bahnfahren
    DAC-FIT 貨車自動連結の推進
    CHSRA Alstom とSiemens shortlisted
    ベトナム新線計画

【議事概要】

  1. 世界都市別、営業キロ別メトロのデータによると中国が上位を占め25都市中16都市。Moskva、London、NY、Seoul、Delhi、東京(18位)、Madrid、Singapore、Parisとなる、ただし旅客数では東京が1位
  2. イギリス政府は32pの法案と29pの説明メモ、123pの影響評価からなる鉄道改革法案のDraft Billを2月10日に発表。2021のWilliam-Shapps報告に沿って2025年までに2016年の現行法の改正作業の一環として各界の意見を求めるためのものである。1994年から始まるフランチャイズ方式を経てネットワークレールによる事実上の国有化を経て、今回Office of Rail and Roadの監督の下、新しく上下一体の組織であるGreat British Railway公社が設立され、部外委託方式による旅客サービスが開始される
  3. Siemens 地方鉄道旅行ブームもあり、これまでの売却、長期リースに換えオプション付き短期契約の車両リースプール会社STS(Smart Train Lease)を設立。当面ETCS標準整備3両編成12セット、2両編成8セットを提供
  4. イギリス特にWales に多く残るR&S(旅客の合図による列車停止)方式に代えて携帯電話のGMS通信方式利用のボタン式通知方式、可能であれば当初から列車情報を含めたGMS=Rが採用される。これにより無用の停車数が減少し動力費の減少。スコットランドではBRが開発したRadio Electronic Token Block方式が採用されている
  5. イギリスCoventryはVery Light Rail(超軽量レール)を開発、テスト中、最新の自動車技術と革新的な線路設計、施工、ルート設定を行い都市環境を向上させる。充電式車両で無架線、線路設備を地表から30㎝に収め工事費を大幅軽減。地域、市、議会、企業が協力し資金調達、他の都市にもノウハウを提供
  6. フランスKevin Speed(オープン アクセス高速コミューター会社)2028年までに運行開始を計画。パリからリヨン、リール、ストラスブルグ間、リモートワークを考慮し停車駅増、低運賃、ネット販売、定規格ダイヤ、座席増(2-3配列)、短編成、20編成をAlstomと交渉、線路使用についてSNCF Reseauの承認。Trenitalia,Renfe,Le Trainについで4社目、今後資金調達交渉
  7. Metronom社はハンブルク、ブレーメン、ゲッチンゲンのいわゆるハンザ同盟都市間サービスのニーダーザクセン州との鉄道運営契約からの撤退を希望。人気はあるが財政困難、車両は州所有なので再入札予定、Metronomにも可能性。DB Regioの子会社Start Deutschland GmbHがこれらの路線運営に参加するケースも多く、差引DB路線は増加している
  8. Rhätische Bahn(RhB)は運転手不足のため一部運行をバスに切り替え
  9. 日本にもバスを納入している 経営破綻のVan Hoolのtakeover bidは再スタートの有利性も考慮しVDLとSchmitz Cargobullに認められ、それぞれバス部門と貨物車部門を引き継ぐ
  10. 車両研究―コンサルタントのReinhard Christeller はグレー、グリーン、ホワイト水素の採掘、精製、動力利用の問題点を論じ水素牽引は最新の技術を使っても広範囲に採用するのは難しいと指摘
  11. その他情報

【出席者】

岩沙克次、川﨑孝夫、佐藤芳彦、佐々木敏明、菅建彦、曽我治夫、前田喜代治、遠藤俊太郎、高橋八州男、西江勇二